2025.08.25

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生成AIの進化がプロンプトエンジニアリングに与える影響とは

■ 生成AIの進化がプロンプトエンジニアリングに与える影響とは

 

私も以前は生成AIに指示を出す際、適切な回答を得るためにプロンプトの内容にかなり注意を払っていました。
前提条件、命令内容、回答形式、インプットデータ、アウトプットの形式などを意識してプロンプトを組み立てていたのです。

しかし最近では、「物事に詳しい人に気軽に質問する」程度のプロンプトでも、十分に質の高い回答が得られるようになってきました。

では、こうした変化の背景にはどのような技術や工夫があるのでしょうか?

特に2025年以降、生成AIには従来の回答生成能力に加えて、以下のような新たな機能が組み込まれるようになりました。
 ・Self-Verification:生成された回答の妥当性をAI自身が内部で検証する機能
 ・Multi-Step Reasoning:ユーザーが明示的に指示しなくても、必要に応じてステップバイステップで論理的な推論を行う機能
 ・Error Correction:誤りを検出し、自動的に修正して回答の精度を高める機能
 ・Context Awareness:長いトークンや記憶機構を活用し、より深い文脈理解が可能に

さらに事前学習の面でも大きな進化がありました。
パラメータ数の増加により多様なデータセットでの学習が可能となったほか、以下のような技術が導入されています。
 ・Reinforcement Learning from Human Feedback(RLHF):人間のフィードバックに基づく強化学習
 ・Constitutional AI:AIが守るべき行動指針(“憲法”)をあらかじめ学習させる手法
 ・Instruction Tuningの高度化:人間の短い指示が何を意図しているかをAIが自動的に補完する能力
 ・学習データの品質向上

これらの進化により、生成AIに適したプロンプトの形も変化しています。
もちろん依然として正確かつ明確な指示が求められる場面はあります。
その際はプロンプトエンジニアリングの技法が必要になりますが、生成AIは人間の曖昧な表現をくみ取りながら、高品質な応答を実現できるようになってきました。
今後はプロンプトエンジニアリングの役割も「技術を操る」ものから、「人とAIの意思疎通をなめらかにする設計技術」へと進化していくでしょう。

 

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